昨夜の新宿JAM

太陽が昇り始めつつある。わたしはいつもの日課であるスポーツ新聞のチェックを珈琲片手に終えると 無言のままヘッドフォンを装着した。THE DAMNEDを大音量でぶちかます。「NEAT NEAT NEAT!、NEAT NEAT NEAT!」、 わたしは小刻みに震えながらそれが半ば痙攣と呼ばれるナニに変化するまで永続的に連呼する。 それからわたしの脳髄は昨夜の新宿JAMでの淫靡な景色へと移行し始めた。昨夜の襲撃場所は新宿JAMという 小屋であった。我々は今回は騎馬隊として突入を敢行。3番隊としての突撃である。 息詰まる白兵戦が続き、刺しつ刺されつ、本日の戦闘は終了した。演奏を終え、次のバンドのパパイア・パラノイア を見ている時にお客様からビールをゴチになる。一度、頂戴したら最後まで頂くのが男子の本懐である。 わたしはジョッキを略奪し、その全てをわたしの体内に取り込むと酔いどれ天使と化し店内をさまよい歩いた。 やがて全てのバンドの演奏が終わると ギターで自己分裂と細胞分裂を行うボブ殿のお誕生会に出席する。ケーキも準備され完璧なお誕生会。 彼の目に涙がうっすらと浮かんだのを見たのはわたしだけであろうか?いずれにせよ、 これで彼もSweet Little Sixteenの仲間入り。 アメリカだったら車の免許が取れるところだ。やったな。夜を徹してのお誕生会は彼を愛する者どもの間で つつがなく行われる。席上、ボブ殿も参加している「四ツ谷会」という団体に対抗し「愛だけでいい会」という 団体を設立することにした。「四ツ谷会」の強力メンバーに対しこちらの構成員は現在、わたしと ダーク・ザ・ジャイアントのケースケ殿のわずか2名である。今は小さな団体だがいつの日か「王道」を名乗り 「四ツ谷会」と交流戦なども行わねばなるまい。リアルなファイトの中にも「反則は5秒までならいいんだぜ!」的な 破廉恥行為も含みつつ、華やかに、そして軽やかに、あぁ、そうだ。それに・・・もう、いいか。 帰り道、ボブ殿が突然、「これからはおれをファラオと呼べ!」と手足をバタバタさせながら言い出す。 その目が本気だったのでわたしは彼の主張を認めることにした。ダビデチオでファラオ。素晴らしい。しかし、 音的にはもはやギリギリのラインだ。あぁ、危うい。