ゾンビと野良犬の夢

2003年4月23日 | からblackdavid | ファイル: 未分類.

子供の頃、よく野良犬を見かけた。近所に狂犬病に罹ったという5歳くらい年上のお兄さんがいてとても怖かった。彼に噛まれたという人もいた。その傷跡を見せてもらったような記憶もあるのだが、どうもハッキリしない。その人が外に出てくるとわたしたちは猛ダッシュで家に逃げ帰った。砂場などで遊んでいてもそういう情報は何処からか入って、あっという間に家に走っていく。逃げ遅れたときなどはまさしく死ぬ思いだった。見つからないように物陰に隠れながら家へと急ぐのだが、半端じゃない恐ろしさだった。冷静に考えると狂犬病という話自体がおかしいのだが、今となってはもうどうにもならない。いずれにせよ、あの恐怖は口で言い表す事が出来る代物ではなかった。

わたしは年に1,2回ほど、ゾンビに襲われて逃げ惑う夢を見るのだがその原風景はあそこにあるのだ、という結論に最近になってようやく至った。友人、近所の人、家族すらもゾンビになってわたしを追い回すのだ。家の外に逃げればゾンビが現れ、車に乗ればゾンビが現れ、わたしが行くところ、行くところ、ゾンビが群がってくる。この絶望的な恐怖はわたしが目を覚ますまで続く。目を覚ますと心臓の動悸が激しく鳴り響いているのだ。

さて、野良犬の話である。ある日を境に突然、見かけなくなった。保健所が本気を出したのだ。それからどのくらいの月日が流れたのだろう。わたしが深夜、車を飛ばしていると野良犬の集団が町の中を駆け抜けていくのを見た。群れの数は30匹以上。いろんな種類の犬がリーダーらしき犬を先頭にまとまって駆け抜けていく。その様が暴走族やチャリンコ・オバサンの集団よりも物凄い迫力だったのでわたしは思わず車を止めその姿に見入った。いつの日か犬達が自らの帝国を築くために全国を駆け巡り、野犬の精鋭たちを集めているのに違いない、とその鋭い眼を見ていると思わずにはいられなかった。嘘のような本当の話である。


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