決戦は今日

217月 - による admin - 0 - スポーツ魔界

決戦の日を明日に控え、我々は日頃の修練の最終チェックに余念がない。シュートの精度はもちろんの事、パスの精度、ルーズボールへの対応の仕方、誰かがボールを持って前線に上がった時のケア、声の掛け方、あるいは前半、後半の体力を考えた動き方、チェックしなければいけない項目はたくさんある。したがって徐々に口数は減り、身体は硬直し、唇はブルブルと震え、時折めまいが襲う事もいたしかたない。これはワールドカップに並ぶ興奮をともなった試合であることを理解せねばならない。

この梅雨時、(あぁ、7月ももう終わるというのにギラギラと照りつける太陽はまだ顔を出さないのだ、、、)雨ざらしになりながら我々は衣服をおもむろに脱ぎ捨てオーストラリアのウォーリアー達と一戦に興じる。泥にまみれ、唇を切り、溢れ出る血潮を拭いもせず、己の肉体一つで、もっと正確に言えば、ふんどし一丁で球蹴りに夢中になる、おぉ、憎いまでのこの益荒男ぶりよ。「球蹴りするヤツ出てこいやー!!」そんな時、わたしはいつも夢想する。この肉体がボロボロになり、影も形もなくなり、やがては身体から抜け出した精神だけで蹴る、いや、身体ごと無様に押し込んだゴールが試合を決するその瞬間を。

こんなことを考えているとわたしはとても眠れそうになかった。そこで2、3俳句を作り気持ちを鎮める努力をした。

球を蹴る 痛し痒しと人の言う
灼熱の ハノイの空で 逢いましょう

やがて徐々に気分が落ち着いてきたわたしは窓を開けるともう明るくなりかけた空を見上げた。決戦は今日。

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