プロレスLOVE

237月 - による black999 - 0 - 2005

約一月ぶりのご無沙汰でした。その間は引っ越しをしたり、引きこもりをしたり、数を数えたり、散歩をしたり、人をだましたり、「キャバレー」を観たりしていました。中でもプロレスラーの橋本が亡くなった事は最近、ようやく「プロレスLOVE」という言葉が自然に口から出るようになってきたわたしにとって残念な出来事でした。健全な青年は一つや二つ何かしら人には言えぬ願望を持つものでしょうが、わたしも例に漏れず「ジャーマン・スープレックス」を決めてみたい、絶望的な状況から大逆転の「スモール・パッケージ・フォールド」を決めてみたい、あるいは「四の字固め」を決められたい、嫌というほど水平チョップを胸板に受けたいといういひそやかな願望を持っています。そしてそれは日常の生活とかけ離れていればいるほどわたしに何か狂おしい思いを抱かせます。今でも時々、身体を鍛えて新日本プロレス道場にでも殴り込みにいってそのまま東京ドームでデビューしてやろうか、などどと不埒で魅力的な白昼夢に取り憑かれる事がありますが、それらは決して実行される事はなく、それが故に日に日に胸の中で得体の知れない欲望としてわたしの中で大きくなっていきます。不可能であることを知りながら見る夢、それをさせる精神とは一体どういう代物なのでしょう。わたしは橋本選手の死からそんな事ばかり考えていました。
そういえば、三島由紀夫が永遠の夢として「少年の頃の自分と寝る」と驚くべき事を書いていたのを読んだ事がありますが、そこにも不可能な夢への強烈な願望が感じられます。プロレスラーになりたくて毎日、首ブリッジをしていた小学生のわたし。
その頃のわたしに対して、「馬鹿馬鹿しいからやめなさい」などと言う事は出来ません。

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