わたしが黙って珈琲を飲むとき

175月 - による black999 - 0 - 2005

なんということだ。気がつけば5月ももう17日を経過し、2005年の半分ももうすぐ訪れる。もう?まだ?コップの中に残っている水は。渋谷にケースケ殿と珈琲を飲みに行く。「ウェイターさん、いつものやつを」そういうと水出し珈琲なるものが運ばれてくる。それから我々は浴びるように珈琲を飲み、「お替わり!」を繰り返す。CD屋に行き、またもや珈琲を飲む。男には飲まずにはおれない時がある。飲んで飲んで、飲まれて飲んで、何かを忘れたいのだ。そういう時にわたしはただ黙って珈琲を飲む。場合によっては頭から浴びたりもする。珈琲が髪から滴り落ちる。シャツははだけ、首筋から胸へそして背中へと伝い、珈琲が靴の中まで犯し始めると店内は阿鼻叫喚の世界になる。なに、構うものか。おぉ、この黒い液体がわたしの体内を駆け巡り、やがて脳髄に達する頃、わたしはいつか見たあの真夏の太陽がギラギラと照らし出す金色の波を思い出し恍惚となる。しばらくすると道ばたに腰掛け、仰向けになると星空を眺めながら、まだ見ぬこの魅惑の世界のどこかで息を潜めている諸々の現象に思いを馳せては涙を落とす。わたしはそれから震える音程で口笛を吹く。両の手をポケットに突っ込み勇気を振り絞り顔を上げる。「さぁ、さっきの珈琲は昨日を忘れるため。次の珈琲は明日のためにだ!」ついでに「北回帰線」の一番いいところを暗唱しながら我々はまたもや杯を空ける。あぁ、珈琲、それは不可思議なる飲みもの。

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