夜の出来事

187月 - による black999 - 0 - 未分類

小雨が降り続く夜、いつの間にかベッドに横になったわたしは半分眠り、半分起きているような状態でうつらうつらしていた。何者かが階段を上ってくるようである。「同居人かな?」わたしは耳をそばだてた。足音が聞こえるような気もするがはっきりとしない。とてもゆっくりとしたペースだ。しかし、それは着実にわたしの方へと向かっている。やがて鼻息らしきモノがわたしの左耳の後ろの方で聞こえ始めた。それと同時にわたしは足下から金縛りが襲ってくるのを感じた。
「このままでは危ない」
わたしは全身に緊急避難命令を発するやいなや、右腕を軸に飛び起き、半ば側転するような状態でその得体の知れないモノと正対した。わたしは戦闘態勢を取りながら、数秒ほど様子をうかがったがそこには目に見えるモノは何もいなかった。

夜、近くでぼや騒ぎがあった。消防車が6、7台集まりヤジ馬と消防隊員で近所の細い道はごった返した。わたしは人混みの中から「ガス漏れらしいわよ」というおばさんの声を聞き取った。しかし、火の手は見当たらず、消防隊員も困惑しているようであった。わたしはこの小雨具合では仮に火が燃えていても直ぐに止むだろう、と思い帰宅した。

5分ほど後、再び外に出てみると先ほどの騒ぎは嘘のように静まりかえり救急車はおろか、ヤジ馬さえも見当たらず、ただ歩行者だけがまばらに行き過ぎ、いつもの通りに戻っていた。

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