平将門の墓と対決

本日は片頭痛に悩まされる。そういう場合は薬を飲んで寝てしまうことにしている。しかし、下手な時間に寝ると変な時間に起きてしまいまた生活が不規則となる。もしくはこれは何かに取り憑かれたのではないか?などという一抹の不安がないこともない。思い当たる節は山ほどある。「UFO及び心霊研究会」の調査員としてそのような危険な場所に足を踏み入れることしばし。数々の無頼な冒険がわたしの精神を蝕んでいるとしても何ら不思議はない。

以前、知人と「平将門の墓と対決しようぜ!ヒャッホー!」と上機嫌でその場所へ向かったことがある。勢い良く車に乗り込んだのはいいが、その後に予定として組み込んだ「吉野家総本山詣で」に気を取られ場所をほとんど調べずに行ってしまった。車中、「確か、東京駅の方だよ・・・」「こっちすか?」「あぁ、大体そっちだよ」「次、右っすか?」「あぁ、多分そうだよ」「どの辺なんですかね」「あぁ、もういいや、吉野家総本山に行こう!」「まじっすか?」「あ、いや、しかし、最後にここを左に曲がってみよう」「左っすね」ここに信じられないことが起こる。するとあったのだ。「将門の墓」が。こんな真夜中に行くべき場所でないのは明らかだった。「うーん、なんてこった」実はわたしはここに到着したくなかったのである。しかし、たどり着いてしまったからには弱気を見せてはならない。わたしは将門を凌駕する精神力を用いているつもりで平静を保つと恭しく手を合わせ、お辞儀をした。「そっちの調子はどうですか?色々あるでしょうがこれからも頑張ってください・・・」対決どころの騒ぎではない。我々はお祈りを済ますと素早く車に乗り込みその場所を後にした。「吉野家総本山」を攻略する意気込みはもうどこかへ消え失せていた。帰宅後、わたしが片頭痛に悩まされたかどうかは今はもう憶えてはいない。

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