ああいうのがいい

最近、あまり運動をしていない。筋トレなどは思い出すとやっているのだが、2週間くらい一生懸命やると物凄い筋肉を持ってしまったような錯覚に陥り止めてしまう。しかし、走る、だとか、泳ぐ、だとかそういう類のものはさっぱりやっていない。10年以上やっていないような気さえする。とは言っても子供の頃から走るのとかは得意なので100M位は全力で走れるだろう。おそらく、その日一日もう身体を動かすことは出来ないであろうが。そんな事をソファに寝そべりながら考えているとわたしの脳裏をミック・ジャガーが突っ走っていった。ジャガー。その名前は伊達ではない。彼は現在、60という年齢を迎えるにあたっても節制の取れた身体とステージを所狭しと走り回れるだけの訓練を積んでいる。”ああいうのがいい・・・”わたしはこれから夏場に向けて自らを律し”ああいう”状態になれるまで訓練を積みたいと思った。それに比べ数度、同性に風呂場をのぞかれた経験を持つ実弟は非常に美しい肉体を持っている。ボクシングをやり、北海道をチャリンコで一周し、ホノルルマラソンに数度出場し、なおかつスイミングスクールの先生までやり、現在サーフィンに夢中という人間である。並外れた大胸筋と僧帽筋があっちとこっちでコンニチワしながらもそれが決して嫌味ではなく、そのまったりとした上腕三頭筋が上腕二頭筋へと美しいラインを描き、ややもするとその存在が忘れられがちな大円筋、あるいは大臀筋などにもちょっとした思いやり程度に軽いエスニック風味のスパイスが添えられ、そのメインの核を為すミディアム・レアに焼き上げられた腹直筋が、スペインのとある小道の石畳よろしく晴れやかな面持ちでたたずんでいる。しかし、それほどの肉体を持った実弟ではあるが、いつも陸に上がったイグアナのように半開きの目で顔を少し上に向けながら部屋で座禅している。一見すると寝ているようにも見える。動くときも非常にスローモーだ。彼曰く、「筋肉が重過ぎる・・・」彼のこのところの望みはサイババに会うことだけらしい。

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