本牧BAR「J&K」魑魅魍魎編

今日は4/14なのでもう二日もあの本牧の夜から経過したことになる。小雨が舞う本牧の夜。マイカル本牧からすぐそばではあるが人気の少ない通り。雨に混じってゆるやかに流れる生暖かい風。BAR「J&K」の前にある酒場にたむろする人々からかすかにもれるうめき声。魑魅魍魎が不気味な笑い声を響かせる、この怪しげで何か怪奇なことが起こりそうな場所に集った、恐れを知らぬつわものどもはボロキチ、LOADEDの面々。リハを終えると不気味な車のエンジン音を響かせながら何処かへと姿を消すLOADED。開始予定時間を少し過ぎるまでリハを繰り返すバビロニアの亡霊、ダビデ一族。それを見守る振りをして怪しげな合唱を始めるボロキチの衆。LOADEDの面々が満足そうな顔で戻ってくる。「あー、美味かった・・・」まさか、人間を・・・、いや、何が起こっても不思議ではない。

そうこうするうちに20:00になり何処からともなく人が訪れ、ザワザワとヒソヒソ声に店内が満たされていく。まずはボロキチ。激しい音が辺りの空気を振動させ、密やかな会の始まりを夜の精霊達に告げる。LOADEDは悪魔を憐れむ歌を演奏し、儀式を最高潮に盛り上げた。ダビデ一族は血の滴る山羊の首を北の方角へ捧げるとあらぬ言葉を口走り、そのまま痙攣しはじめる。危険な死の匂い・・・真夜中過ぎ、会も終焉し、ひと気のなくなったBAR「J&K」では夜をねぐらとし死神を友とする集団が、絶え間なく流される古い映像の合間に歌い、喚き、失神する。失われつつある時間の感覚・・・朝だ。一夜の恐るべき時間を過ごしたこの一団は何事もなかったかのように電車に乗ると誰にも言えぬ秘密を胸に抱きながらいつもの日常へと戻っていったのである。

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