ブルーベリーエキスをご一緒に

最近、ブルーベリーエキスが入っている錠剤を飲んでいる。これは目に良いらしい。わたしの実弟は以前から そのブツを持っており、一粒飲む度に「おぉー、効いてきたぁ!見える、見えるぞう!ナニもかもがはっきり見えるぞう!」 と叫び回っていた。わたしは「そんな馬鹿なことがあるか」と一笑に付したが、あんまりしつこいので一粒もらって飲んでみた。 ”あぁ、なんだこれは・・・そういえば見えるようになった気がする・・・”「どうだい?見えるようになったでしょう?」と実弟はニヤリとする。 「何を言っているのだ、貴様は、くだらん。くだらん。あー馬鹿馬鹿しい、早く寝ろ、もう9時だぞ、このバカヤロ様が!」 と怒鳴り、兄としての威厳を保とうとした。夜更けすぎに弟が寝たのを確認するとわたしは更に一粒飲み、その効果を 確認した。次の日、実弟には内緒でわたしも買った。その夜、わたしは実弟とサッカーゲームに興じながらさりげなく 切り出した。「アレは結構、効くなぁ・・・」実弟もテレビ画面を見つめながら言う「あぁ、効くねぇ」、そして我々は一粒 口にする。「あぁ、はっきりしてきた、見えるよ・・・」「おれもだ・・・はっきり・・・」真夜中過ぎまでサッカーゲームの熱闘は続いた。 が、我々がその日ハッキリと見ていたのはサッカーゲームの画面だけなのである。

エイプリルフール To Cry

今日から4月が始まった。今日は一日なので嘘をついて人を騙してもいい日らしい。 騙された方が馬鹿で間抜けでオタンコナスなのであって、皆でその笑われる様を見て 「へっへへ、いい気味だ。あいつの顔見てみろよ。ほら、今にも泣きそうだぜ!」とか 何とか言いながら天気も良くて暖かければついでに花見でもやってしまおう!という、 そういう大胆な日なのである。エイプリル・フール、なかなか洒落た日ではないか。 しかし、この日記を書いている今はもはや、4月2日であってそういう心憎い日はもう終わっているのである。 わたしが時事ネタを扱おうとしてもこういう事なのだ。よって今後もそういうことを無視して突き進んでいく。 そういえば、成人式という催しが日本では行われていて二十歳になると、自治体が準備してくれたお祝いに 皆で集まって酒を飲んで暴虐の限りを尽くし、大股開きになり、埒をあけることで大人の証明を するという奇妙な習慣がある。バンジージャンプの方がまだマシのような気もするのだが。

わたしの成人式といえば、政治犯として捕らえられていて、その日を獄中で迎えた記憶がある。 社会から隔離されるという生活をしていたので世間がそういうことになっていたことにさっぱり気づかなかった。 成人式が行われたのであろうその日の夜、ニュースでそういう事を知ったに過ぎない。 、、、しかし、実のところは何もかもが嘘なのであった。