王様の昼寝

お腹がいっぱいになると眠くなる。わたしには本来、「王様の昼寝」と称する時間が必要だが、 5時間も寝てしまうともはや昼寝ではなくなってしまう。このような場合には眠りの中で何度も起き上がっては 色々なことをしている。しかし、周りの様子がいつもと違い、見たことがない人が部屋にいたりする。 「うーん、ナンかおかしいなぁ」と思いながらもいつも違うようなことをナニかしらして、「ふぅー今、何時だろう?」 等と思って時計を見ようとするが、見つからずにジタバタして、ハッと目を覚まし、それが夢であったことを 知るのである。一時、夢に異様に凝ってしまい好きな夢を見れるようにコントロールしようとした。 最も原始的なやり方としては見たいモノの写真を枕の下に置く、という方法である。しかし、わたしの場合は 枕を必要としない眠り方なのでこれは意味をなさない。それで眠る前にその見たい事柄に関して30分ほど、 アレコレと妄想を張り巡らしたり、それらの写真、あるいは映像を凝視したりする。 また、人間は睡眠中でも外からの音、匂いに敏感に反応しているのでその辺りにも十分気を配られたい。 寝ているそばで戦争映画など流していては駄目である。「ダダダッ」と連射される自動小銃の音が あなたの睡眠にナニか不吉な影響を与えるであろうから。匂いも肝心で、いや、匂いこそが一番の肝で これはとっておきの香りが部屋中を満たすように心がけなければならない。不快な匂いほど 人を不安にさせるものはない。「死体が山積みなった下水道を背後から死霊に追いかけられる夢」を見たいの なら話は別だが。さぁ、後は眠る前の精神の準備のみ。いくら五感に素敵な要素を注入しても精神が 安定していなければコントロールは覚束ない。眠る前につい口笛をふいてしまい、思わず「ふふっ」と 笑い声がこぼれ落ちくらいでないと駄目だ。「あぁ、この素晴らしき世界!」などという言葉が 自然に漏れてくる位になるのがベストだ。万事手はずは整った。後は 「さぁ、これから映画を見よう!」と言いながら眠りに落ちるだけである。