不思議大好き探検隊

前日の深夜、「不思議大好き探検隊(現在仮称:正式名称募集中)」の召集がかかった。 予定表に目を通すととても無事では帰れそうもない。 万が一に備え、わたしは秘密裏に遺書をしたためると夕刻、意を決して彼の地へと向かった。 待ち合わせ場所はJAZZ喫茶「マサコ」。隊員はまだ誰も集合していなかったのでわたしは 「恐怖新聞」に目を通し、そういうもの達の恐ろしさをお勉強しておく。 わたしがお勉強に熱中しているとどこからともなく、 J隊長とY隊員が現れる。1時間ほどそれぞれの恐怖体験、本日の予定について話し合う。 そしてこれは驚くべきことだが、いつの間にか実にまったりとしてしまう。 「これではイカン!」ということで本部へ移動する。ここで引き続き恐怖体験、本日の予定について 議論を行う。I隊員も合流する。胸ぐらをつかみ合いながらの議論。時折、険悪なムードさえ流れる。 しかし、いつの間にか、じつにまったりとしてしまう。 「イカン、イカン!」ということでかつて心霊写真とおぼしきものが撮影された場所へと J隊長とわたしで調査に向かう。「あそこは廃墟なのです」J隊長は目を見開き言う。 「廃墟・・・」わたしの背筋に冷たいものが走った。危険な匂いがプンプンする。彼の場所に到着する。 ただならぬ雰囲気が辺りを包んでいる。 すんなりと進入できるその庭には確かに規則的に並んだ石と灯篭があり、理由は分からないが 大量のフマキラーの缶が意味ありげに土中に埋められていた。 「これは凄い!これは凄い!」わたしは夢中でカメラのシャッターを押す。 「どうです。ここは廃墟なのです。かつてここに住んでいた人間の怨霊が・・・」とJ隊長が説明を始めた。 その時である、わたしは家に電気がついていることに気づいた。よく見ると2階のカーテンも生活感でいっぱいだ。 「隊長、部屋に電気が?」「うん?」我々はまさかとは思いながら表門に回った。 表札があり、しっかりと名前が書いてある。我々の間に気まずい空気が流れる。 「ちょっと待っていてくれ」思いつめた顔でJ隊長は門の向こう側へと姿を消した。しばしの静寂の後、 「ギャー!」というJ隊長の悲鳴が聞こえた。わたしは怖くなり、その場から走り去った。 ソレが恐怖による悲鳴なのか、それとも悲しみの叫び声なのか、ソレだけを考えながら。