おれは無造作にランボーの「地獄の季節」をつかむとそのままポケットにねじこんだ。 それから上から下まで黒い服に身を包むと鏡の前に立ちつくし、しばし自らの姿に見とれた。 黒光りするコートはまるで翼のように、そして飛び跳ねた髪はツノのように見えた。 「おぉ、まるで悪魔のようではないか・・・」おれは興奮のあまりに伸びきった尻尾をコートの中に隠すと 渋谷へと向かった。青い部屋ではDECADENCE ROCKIN’ SALOONと銘打たれた催しが行われていた。 店内に入るとギターボーカルとドラムだけのバンドが演奏をしていた。 ドラマーの女性がセクシーな様子で叩いているので、危険を感じたわたしはすかさず珈琲を頼んだ。 一口すすり気を落ち着けているとあっという間に演奏は終わってしまった。 知り合いのI殿がいたので愛と死、それにまつわる美について話をした。 次のバンドが始まり、エレキシタールが鳴り出した。昔、よく遊んだヴィシュヌ神のことを思い出した。 おれの頬を涙が伝った。そのまま目を閉じて瞑想に耽っているとふと、この世の者ならざる気配がした。 振り返ると誰もいない。気のせいか・・・正面を向くといつの間にか長髪で黒眼鏡をかけた男性が 目の前にいた。 地の底から響いてくるような低い声で男は2,3おれの、そして全人類の未来についての 暗示的な予言をした。時々、興奮のためか黒眼鏡越しに両目が赤く光るのが分かった。この男も悪魔のようだった。 やがて催しは終わった。おれはフラフラと外へ出た。外は夜のはずなのにおれの目の前には 太陽のような光が幾つもグルグルと回っていた。 おれはかろうじてつぶやくように言った。
「また見付かった。何が?—– 永遠が」
おれは無造作に
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