魔王様に「新年会をやるので来るように」との通達を受けた。「いざ、鎌倉!」と電車に飛び乗り井の頭線で ガタゴトと揺られ、揺られながら何か不吉な夢を見た。夕刻、陽が沈み空は暗くなりかけていた。 何処からか聞こえるざわめきは鴉の鳴き声に 似ている。辿りつくとそこは「新年会」と称した悪徳の晩餐会が行われる会場であった。魔王様の声が聞こえる。 「酒池肉林じゃ、ムハハハ!」黒いサングラスが妖しげな光を放つ。「まぁ、上がりたまえ」わたしが部屋に入ると ストーンズの映像が飛び込んでくる。「これはアンジーだ!もしかしてわたしに何か暗示をかけるつもりだろうか?」 しかし、そんなキワドイ駄洒落は決して言えない。うっかりそんなことを言うと超絶駄洒落の雨あられが容赦なく 降り注いで来ることが予測できたからだ。身体をこわばらせて座っていると次から次へとデカダンスの匂いを まとった招待客が姿を見せる。やがて厳かに晩餐会が始まった。テーブルに並べられた大量の酒、酒、酒。 鳴り響くビートルズ。興奮のるつぼはわたしの脳ミソに煌びやかな眩暈を起こさせる。 血の舞踏。招待客の唇からもれる美しく卑猥な言葉の数々。何分が経過したのだろう? ハッと気付いた時にはもう4時間以上が経過していた。おぉ、わたしは時空の歪みの中で死神とダンスをしていたのだ。 危ない。このままでは危ない。わたしは魔王様に帰る旨を告げた。「うむ、仕方がないだろう。しかし、果たして 無事に帰ることが出来るかな?ムハハ、ムハハ、ムハハハハ・・・」地獄の底から聞こえてくるようなその声を聞くと わたしは気を失ってしまった。 ・・・目を覚ますとわたしは東横線に乗り、座席にもたれフラフラしていた。さっきまでの出来事は夢であったのだろうか? ハッキリとしない頭ではあったが手にはレノンのDVDが握られていた。「これは・・・あの時の」 それを見た瞬間、全てが夢ではなかった事を理解した。どうやって家まで帰ってきたのか、今はもうはっきりとは思い出せない。
新年会をご一緒に
雑感
