東京日記

夜から所用で二子玉川に行く。最近はいつも夜に行くのでギラギラと光っているネオンしか分からない。 マック、ドトール、駅内のカフェ、高島屋の本屋という黄金コースを回って珈琲を飲みまくりながら、 寝そべって詩に似たものをこねくり回したり、鼻歌を唄ったりする。が、やがて飽きてきて ポケットに密かに隠し持っていた百閒を読み出す。「東京日記」は何度読んでも興奮を新たにする不思議な小品である。 漱石の「夢十夜」も面白いがソレよりも現実と幻想が入り混じり、読んでいると足元が覚束なくなってくるような 危険な書物である。大きなウナギのようなモノが現れても困るので、もう一方のポケットに これまた秘密裏に所持していた阿佐田哲也のエッセイ集を読み出す。麻雀モノは分からないのだが、 この人の色川武大での作品とエッセイモノは好きだ。書籍の大殺戮後も着実に本は増える。 関東大震災、東京大空襲を乗り越えた日本人のたくましさを我ながら感じる。 失ったものは取り戻せば良い。取り戻せないものをのぞいては。