森蘭丸

ここ2日ほど風邪なのか、なんなのか微熱が出てどうしようもないので家にこもる。 頭痛持ちなので時々頭が痛くなることはあるのだが、今回はそれとは違う。 それと背中から胸にかけて痛みが走る。これは3年ほど前から年に一度ほど、 1週間から2週間という期間、起こるようになった。酷い時には痛みで歩けない。50Mほど歩くと 立ち止まって休憩を取らなければ駄目になる。こうして書いてみるとそろそろ、あちらの世界から お迎えが来そうな感じさえするが、死神の姿はまだ見えない。もっとも、死神はいつも 本人の後ろに立っているので自分では見えないのであるが。だからそういう状態の時に 急に後ろを振り返ってはいけないよ。目が合ってしまうから。 等と危険なことを考えつつ、外を出歩くことも出来ないので芥川龍之介様の短編集もろもろを読む。 やがてJ三郎が帰ってきて「戦国無双」というゲームをやる。信長の小姓であった森蘭丸があまりにも 美化されていて、女性のようだ。いや、女性以上に女性らしく、これが男だとはとても思えない。 その時、どうして禁じられた恋とういものが、あれほど小説や映画の題材に使われてきたのか分かった気がした。 許されない恋、障害の多い、半ば過ちのような恋。”もしも蘭丸が私のそばにいたら・・・” わたしは眩暈のようなものを感じた。”お兄様、どうしました?”J三郎の声が聞こえる。 ”なんでもない。なんでもないさ、さぁ、ゲームの続きをしよう” わたしは寸でのところで踏みとどまった。危ないところだった。全ては熱のせいだった、ということにする。