もはや、日付が変わろうとしている15日の深夜、わたしは巨大な建築物が立ち並ぶMM21の敷地内を あてどもなく歩いていた。あてはなかったが、探しているものはあった。「夜明け」。わたしの夜明け、日本の夜明け。 世界の夜明け。そんなことを考えながらこの寒さの中、本当に見つけなければいけないのは 今月から開通している「みなとみらい駅」。深夜、人通りもないこの辺りは 太い道路、建物達、タクシー、そして観覧車のライトと浜風だけが吹く、実に寂しいところである。 わたしは何度も夜空を見上げ、星の位置を確認してはためらいながら、時には何かを見失いそうになる自分を叱咤しながら 自分自身に鞭をくれ一歩一歩進んだ。しかし、寒い。駄目だ、寒すぎる。せめて自動販売機はないのか! 珈琲はないのか!そんなことより、終電に乗り遅れたらどうしくれるのだ!あぁ、寒い。駄目だ。耳が痛い。 「夜明け」だ。もう、駅のことを考えるのはやめよう。夜明けのことを考えよう。暖かい夜明けのことを考えよう。 ブラジルのジャングルに降る暖かい雨のことを考えよう。アフリカの地平線から浮かび上がる 灼熱の太陽のことを考えよう。タヒチのことを考えよう。ゴーギャンの夢を見よう。 あぁ、あれは美術館だ。絵は本物を見るのが一番いい。画集では駄目だ。色が、そして大きさが。 日本の美術館ももっと安く、そして大量の絵を。それにしても大きいのはいいなぁ。奈良の大仏様はいいなぁ。 だってデカイもの。それだけで見るものを圧倒する。ピラミッドも凄いんだろうな。だって三角だもの。 しかもピラミッドパワーがあるし。あぁ、ピラミッドパワーで気持ちよく・・・イカン!寝てはイカン! 寝たら一巻の終わりだ。でも電話ボックスの中でだったら大丈夫じゃないかな?大丈夫かな?平気さ。平気だよ。 今までだってそうしてきたよ。そうだよね。きみはそうだったよ。僕もそうだもの。とても気持ちが良かったよ。クラムボンは笑ったよ。 クラムボンはかぷかぷ笑ったよ。もう目がかすんで来た。ママ、もうこの銃は撃てないよ。 黒くて長い雲が落ちてくる。天国の扉を叩いている気分だ。。。「みなとみらい駅」。わたしは意識が消えかかる その刹那、ついに到達したのである。何処へ?至高の玉座と言う名の愛へと。
夜明けまで
雑感
