J三郎から電話が入る。”急遽、母上が部屋を訪問するという情報を入手しました!わたしは避難しますので、 大至急しかるべき対応をお願いします・・・”我が耳を疑い一瞬呆然とし、やがて軽いめまいが訪れた。 ”エイプリル・フールだ!そうだ、そうに違いない!” 一瞬そう思ったが、そんなことはあるまいと思い直した。 人間には言って良い嘘とそうでないのがある。許される嘘とそうでないのがある。 これは明らかに後者に属する嘘である。そして、そのような行為は人外の者の所作であり、 決して許されるべき行為ではない。 J三郎がそこまでの悪漢だとは思えない。それにこれは彼にとっても死活問題である。 わたしは家に電話をし事実のほどを確認した。 ”知り合いの陶芸家が上野の美術館での展覧会に出品しているのでそれを見に行く”との事。 そのついでに寄るらしい。それを聞くとわたしはいきり立った。しかし、興奮を悟られないように 冷静に諭そうとした。 ”上野からはここまでは遠いですよ、あぁ、そうだ!最近はテロ警戒真っ最中なので色々と面倒な 事もあるでしょうし、電車には乗らない方がよろしいです。Xデー間近!という情報もチラホラと。 いや、これは確かな筋からの情報ですよ、もちろん詳細は明らかには出来ないですけどね。えへへ。 それはそうと、「ホーキング、未来を語る」は読みましたか? エントロピーの増大におけるスカトロジーの減少については如何でしたか?えっ? ナニを言っているのだ?そんなモノは知らん?はぁ。いや、この場合は宇宙人は関係ありませんよ。 エリア51・・・おっと。ナンでもないでござる。いや、ええ、大丈夫です。わたし?あぁ、健康ですよ。 最近はバファリンを飲む回数も減りました。今度、ホノルルマラソンに出ようかとも思っています。 そろそろ、脱皮の季節ですね。へぇ、とにかく、行く?来る?来ますか?へぇ、駄目ですか。 へぇ、へぇ、おいでやす・・・」電話は切れた。あの大殺戮の記憶が蘇った。わたしは何かもを忘れ一日を過ごした。 次の日、200冊にも及ぶ漫画、書籍の類がゴミとして出された。
エイプリル・フール
雑感
