ラスト・サムライ

 夜、急に「ラスト・サムライ」を見たくなり「見たいな・・・」と呟くとケン・ワタナベの大ファンである J三郎が「見ましょう!見ましょう!」と騒ぎ立てるので二人でコンビニに行く。 アイスを買ったり、珈琲を買ったり「蚊取り線香はどうしましょうか?」「まだ出ないでしょう?うふふ」など と急に旅行気分になりながらDVDを購入。 ”ケン・ワタナベ”、そして”サムライ”、この二つで我らとしてはほぼ満足なのだが、ストーリー的には非常に 辛いものがあった。忍者は出るは桜、寺院、温泉、お茶、鍛冶屋、わらぶき屋根と日本文化の紹介映画か? と疑う場所も数々あった。ただ映像の色合いのせいだろうか、「日本は美しい国だねぇ」とうなづくことしきり。 結局のところストーリーはどうでもよかったのだが、理由も分からず全体では4回ほど涙ぐんだ。 最後のシーンでわたしはついに号泣した。こっそり横を向くとJ三郎も泣いていた。 サムライであるとか武士道、あるいは刀とか言うと変な誤解をされそうだが、全然そういうことではなく、 人間であることの愚かしさと美しさのお話である。最後のシーンだけでソレまでの全てを忘れるかのように わたしは猛烈に感動した。J三郎が「お兄様、明日から我々もラスト・サムライですね!」と言うので 一喝した。「馬鹿モン!今日から、いや、今からラスト・サムライだ!」

願わくば、花の下にて春死なむ
  その如月の望月のころ by 西行