エルドラドへ・・・

今日も夜からLOU’S PALE HORSEの演奏を見るために渋谷に行く。目指す陣地は7th Floor。危険地区に迷い込まないように地図を持って行った。怪しげな曲がり角がある度に指差し確認を行い、上下左右の安全を確かめながら進んだ。折に触れては現在の場所、風向き、天候状況、体力なども確認し、万全の構えでホフク前進を続ける。少しでも気を抜くことは許されない。
一歩間違えると怪しげに点滅するネオンサインと高くそびえ立つビルの壁に遮られ、方向感覚を失ってしまうからだ。我々は(ここで我々と使うことを許されたい。団長の気分を高めたいがための自己演出である)慎重に歩を進めた。この先にナニがあるのか。一歩一歩、進んでは後ろを確認し、車道にはみ出しては前方を確認する。この命がけの行軍。しかし、我々の中で弱音を吐くものは誰もいなかった。誰もが歯をくしばり、この先にあるはずのエルドラドを目指して不屈の精神でジリジリと、しかし、確実に前進した。次第に険しくなる坂道。さすがに兵士達の顔には極度の披露が浮かんでいた。
「おれ達は間違っていたのだろうか?」「本当にこの先に・・・」
兵士達の表情から胸の内を読み取った団長もさすがに焦りを感じ始めた。その時である団長の目に最後のポイントである中華料理屋の看板が目に飛び込んできた。
「次の曲がり角で最後だ!」団長は馬上から部下全員に大声で呼びかけた。
「最後の力を振り絞れ!ピラミッドがきみ達の戦いを見ている!さぁ、わたしの後について来い。進めぇぇぇ!」
白馬にまたがり真っ先に敵陣へ突っ込んでいく団長の姿を見て、力がみなぎってきた兵士達は武器を抱えなおすと勢い良く走り出し最後の戦いを始めた。
「エルドラドへ・・・」
誰かのつぶやきはやがて全員の合唱へと変わった。「エルドラドへ!おう!我らの黄金郷へ!いざ行かん!」

・・・そんなこんなで目的地にたどり着き、バンドの演奏を鑑賞する。「灰色プリン」という曲が素晴らしく感動した。演奏もボサノヴァ的なフレーズから次第に激しくなり、わたしの興奮を誘った。演奏後、軽い打ち上げ+反省会と称するサバトに参加し、終電間際に貨物列車に飛び乗り帰路につく。