実家に帰る。表向きは実家のパソコンの調子が悪いので様子を見てくれ、ということなのだが それが口実に過ぎない事は良く分かっている。 隙あらば、わたしを捕獲しナニかよからぬことをことしてしまい、わたしをどうにかしてしまおう、という 算段に違いないのだ。家に着くと、父上、母上、わたしの三人だけという この世に生を受けて以来、ほぼ初めてのような状況になる。 極度の緊張、そして時折訪れるめまい。 静寂にたえかね、わたしは立ち上がると拳を振り上げ切り出した。
「みなさま!今回はこのような席を設けて頂きまして誠に有り難く存じます。 この夏の記録的な猛暑、そして最近、世界各地で起きているテロなどを考えますと 今後の人類の行く末、あるいは地球規模での温暖化がコニャニャチワ。 そういう中でも、わたしが今、気にしているのは地球外知的生命体の探査としてSETI研究所が行っている フェニック計画。これなどは我々人類に微かな希望を与えています。 人類、といえばどうでした?つい先頃のオリンピック、これなども一つの壮大な試みではありましょう。 各民族が寄り合いスポーツという一つの枠の中でお互いがお互いの肉体と愛と肉体と愛と欲望にまみれ、 肉体も愛も肉体も愛も、We are all together。。。」
「まぁ、まぁ、そんな固い話は抜きにしてこれでも見なさい」と父上が エルヴィスのビデオを流す。和やかな雰囲気になる。徐々にほぐれてきたわたしはやがて 放蕩息子ぶりを発揮する。 「ムシャクシャするから車をぶっ飛ばしたいのじゃー!」とわめきながら 夜の町を車で乗り回し、「リラックスしたいのじゃー!」とわめきながら 海のそばの温泉につかり、コ-ヒ-牛乳をガブ飲みし、「精力をつけねばならんのじゃー!」と わめきながらウナギを喰らい、ごろ寝し、 「あぁ、もう退屈じゃ!」といいながら「グラップラー刃牙/板垣恵介」全42巻を読破する。
一通り、やることをやると多少、満足したので犬と戯れたりする。 一体、何をしに帰ってきたのかもう忘れてしまったが、温泉にはいり、素肌美人になったので これはこれでよし、とする。

